ウォークインクローゼットは、家づくりの大きなポイントとなる収納スペースです。
十分な収納力と使いやすさを両立するためには、配置を慎重に計画することが重要です。
適切な設置場所を選ばず、使い勝手の悪いウォークインクローゼットになってしまっては、せっかくの収納スペースが無駄になってしまいます。
今回は、ウォークインクローゼットの配置を決める際に考慮すべき点、そして失敗しないための注意点を解説します。
新築やリフォームでウォークインクローゼットの配置にお悩みのみなさんにとって、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
ウォークインクローゼット配置の決定ポイント
最適な設置場所の選定
ウォークインクローゼットの設置場所を選ぶ際には、生活動線との関係を考慮することが重要です。
主寝室に直結させれば、朝の身支度がスムーズになります。
洗面室に隣接させれば、帰宅後の着替えが便利です。
また、廊下からアクセスできる場所に配置すれば、家族全員で共有しやすいでしょう。
設置場所の決定には、ご家庭の生活スタイルを反映させることが大切です。
ウォークインクローゼットのサイズと形状
ウォークインクローゼットの広さは、収納する物の量や家族構成によって異なります。
最低でも1.5畳から2畳の広さが必要とされ、2畳から4畳が一般的です。
形状はI型、II型、L字型、U字型などがあり、それぞれ収納力や使い勝手が異なります。
I型はシンプルでコンパクト、II型は収納力が高い、L字型は角の部分がデッドスペースになりやすい、U字型は最も収納力が高いといった特徴があります。
ご家庭の状況に合わせて最適なサイズと形状を選択しましょう。
奥行きは、服だけをかけるなら650mm以上、布団を置く棚を設けるなら750mm以上が望ましいです。
人が歩くスペースとして650mm以上の幅を確保することも大切です。
動線と使いやすさを考慮した配置
ウォークインクローゼット内部の動線も重要です。
収納アイテムの配置や扉の種類によって、使い勝手が大きく変わります。
例えば、頻繁に使用するアイテムは手の届きやすい場所に配置し、使用頻度の低いアイテムは奥に配置するなど、動線を意識したレイアウトを心がけましょう。
また、扉は片開きドア、引き戸、折れ戸など、様々なタイプがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、設置場所や周囲の状況を考慮して適切なものを選びましょう。
扉を設けない場合、換気はしやすいものの、冷暖房効率が悪くなったり、見せる収納になるため整理整頓が必要になります。
収納アイテムとレイアウトの組み合わせ
ウォークインクローゼットに収納するアイテムを事前に把握し、それに合わせたレイアウトを計画することが重要です。
ハンガーパイプ、棚、引き出し、可動棚など、様々な収納アイテムがあります。
収納するアイテムの種類や量に応じて、最適な組み合わせを選びましょう。
例えば、丈の長いコートやワンピースはハンガーで吊るし、Tシャツやニットは棚に畳んで収納するなど、アイテムごとに適切な収納方法を選択することで、整理整頓された空間を維持できます。
枕棚や、布団を収納できる中段の設置も検討しましょう。

ウォークインクローゼットの配置 失敗しないための注意点
収納容量と使い勝手のバランス
ウォークインクローゼットは、収納容量が大きければ良いというわけではありません。
収納容量と使い勝手のバランスを考慮することが重要です。
収納容量が大きすぎると、かえって探しにくくなってしまう可能性があります。
また、詰め込みすぎると、風通しが悪くなり、カビや害虫が発生する原因にもなります。
収納容量の7~8割程度に留め、余裕を持たせることが大切です。
換気と湿気対策の重要性
ウォークインクローゼット内は、湿気が溜まりやすく、カビが発生しやすい環境です。
そのため、換気は非常に重要です。
換気方法としては、小窓の設置、換気扇の設置、ガラリ付きドアの採用などが考えられます。
特に、湿気対策として、除湿機や乾燥剤の使用も有効です。
また、珪藻土を使用することで、調湿・消臭効果を高めることも可能です。
扉の種類と開口部の確保
扉の種類は、ウォークインクローゼットの使い勝手を左右します。
片開きドアはスペースを有効活用できますが、ドアの開閉範囲に注意が必要です。
引き戸はスペースを広く使えますが、引き込みスペースが必要になります。
折れ戸は開閉時に家具に当たりにくいですが、開口部が狭くなります。
扉を設けない場合は、換気はしやすいですが、冷暖房効率が悪くなる可能性があります。
将来的な生活の変化への対応
将来的な生活の変化も考慮して、ウォークインクローゼットの配置を計画しましょう。
例えば、家族が増えたり、ライフスタイルが変わったりする可能性も考慮に入れておくべきです。
可動棚を使用することで、収納するものの量や種類に合わせて棚の高さを調整することができ、柔軟に対応できます。

まとめ
ウォークインクローゼットの配置計画は、設置場所、サイズ・形状、動線、収納アイテムの組み合わせなど、様々な要素を考慮する必要があります。
生活動線との整合性、収納する物の量と種類、将来的な変化への対応などを考慮し、使い勝手の良いウォークインクローゼットを計画しましょう。
換気と湿気対策も忘れずに行い、快適な収納空間を実現することが大切です。
収納容量は7~8割程度に留め、余裕を持たせることで、整理整頓された状態を維持しやすくなります。
扉の種類や開口部の確保も、使いやすさに大きく影響するため、慎重に検討しましょう。