土地を購入してマイホームを建てる際、必ず確認しておきたいのが「建ぺい率」と「容積率」です。
これらの数字は、土地の「建てられる面積」を制限する重要な要素であり、理解していなければ、希望通りの家を建てることができないかもしれません。
□「建てられる面積」を計算するときの建ぺい率と容積率ってなに?
建ぺい率と容積率は、土地の利用方法を制限し、安全で快適な住環境を維持するために定められたものです。
それぞれどのような意味を持つのか、詳しく見ていきましょう。
1: 建ぺい率
建ぺい率とは、敷地面積に対する建物面積の割合のことです。
敷地面積とは、建物を建てる土地全体の面積を指し、建物面積は建物を真上から見たときの面積です。
例えば、敷地面積100㎡の土地に建ぺい率が60%の場合、建物の面積は60㎡までしか建てられません。
2: 容積率
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合のことです。
延べ床面積とは、建物の各階の床面積の合計のことです。
例えば、1階が100㎡、2階が90㎡の住宅の場合、延べ床面積は190㎡となります。
容積率が200%の場合、敷地面積100㎡の土地に建てられる延べ床面積は200㎡となります。
3: 建ぺい率と容積率の違い
建ぺい率は、土地の「面積」に対する制限、容積率は土地の「体積」に対する制限と言えます。
建ぺい率は、主に建物の間隔や日当たりを確保するために、容積率は、人口密度や都市の景観を保つために定められています。
□土地の「建てられる面積」の計算方法と事例を解説
建ぺい率と容積率を理解したところで、実際に計算してみましょう。
具体的な事例を用いて、土地の「建てられる面積」を計算する方法を解説します。
1: 建ぺい率の計算
建ぺい率の計算方法は、以下の通りです。
建ぺい率 = 建物面積 ÷ 敷地面積 × 100
例えば、敷地面積100㎡の土地に建ぺい率が60%の場合、建てられる建物の面積は、
60㎡(建物面積) = 100㎡(敷地面積) × 60%(建ぺい率)
となります。
2: 容積率の計算
容積率の計算方法は、以下の通りです。
容積率 = 延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100
例えば、敷地面積100㎡の土地に容積率が200%の場合、建てられる延べ床面積は、
200㎡(延べ床面積) = 100㎡(敷地面積) × 200%(容積率)
となります。
3: 建ぺい率と容積率の計算例
具体的な例として、敷地面積100㎡、建ぺい率60%、容積率200%の土地に、2階建ての住宅を建てる場合を考えてみましょう。
1階部分の床面積:100㎡(敷地面積) × 60%(建ぺい率) = 60㎡
2階部分の床面積:100㎡(敷地面積) × 60%(建ぺい率) = 60㎡
延べ床面積:60㎡(1階) + 60㎡(2階) = 120㎡
容積率:120㎡(延べ床面積) ÷ 100㎡(敷地面積) × 100 = 120%
この例では、建ぺい率は60%ですが、容積率は120%しか使えていません。
これは、2階建ての住宅の場合、1階と2階の床面積を合計した延べ床面積が、容積率によって制限されるためです。
つまり、建ぺい率と容積率は、それぞれ独立した制限であり、どちらか一方の制限が厳しくなることもあります。
□まとめ
建ぺい率と容積率は、土地の「建てられる面積」を制限する重要な要素です。
これらの数字を理解することで、土地選びや設計の段階から、理想のマイホームに近づけることができます。
土地を購入する際には、必ず建ぺい率と容積率を確認し、自分の希望する住宅が建てられるのか、事前にしっかりと計画を立てましょう。