住宅の快適性を左右する湿度管理は、一年を通して重要な課題です。
特に、冬場の厳しい寒さの中で、WB工法がどのように室内の湿度をコントロールしているのか、その仕組みに関心をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
壁内の通気システムが気温の変化にどう対応し、湿気はどのように処理されるのか。
この先進的な工法が、住む人の健康と快適な暮らしをどのように支えているのか、そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。
WB工法は湿度をどう制御するか
形状記憶合金バネが自動開閉し通気を調整
WB工法では、室内の温度変化に応じて開閉する形状記憶合金バネを採用した通気部材が湿度調整の鍵となります。
冬季など気温が低下すると、これらの部材は自動的に閉じることで、室内の暖かい空気が壁内へ過剰に流出するのを防ぎます。
これにより、冬場の寒さを軽減しつつ、壁内環境を適切に保つ役割を果たします。
壁内湿気は隙間通気で排出
形状記憶合金バネが閉じた状態でも、WB工法の通気部材には約10%程度の小さな隙間が設けられています。
この微細な通気経路を通じて、壁体内に発生した湿気はゆっくりと、しかし確実に屋外へと排出されます。
これにより、壁内結露のリスクを低減し、構造材の耐久性を維持しながら、住まいの健康的な状態を保ちます。
木材と壁材が湿度を吸収
WB工法では、構造材である木材や、壁材として使用される素材自体が持つ調湿能力を最大限に活用します。
一般的な住宅で使われる木材は約20トン、壁材も広範囲にわたって使用されるため、これらが室内の過剰な湿気を吸収する能力は非常に大きいものがあります。
例えば、壁材と木材を合わせると、数千リットルもの水分を吸収できるポテンシャルがあると考えられています。

冬場のWB工法湿気処理の仕組み
気温に応じた通気部材の開閉
冬場、WB工法の通気部材は、主に形状記憶合金バネの性質によって閉鎖されます。
これは、外気温が一定以下になると部材が収縮し、通気口を閉じる仕組みです。
しかし、日中の気温上昇や、天候の良い日には、この部材が再び開き、外気を取り込むことがあります。
このように、気温の変動に繊細に反応して通気量を自動調整するのが特徴です。
閉鎖時でも少量通気を維持
冬場に気温が低下して通気部材が閉じたとしても、WB工法では壁内に湿気がこもらないよう、わずかな通気量を確保しています。
前述の約10%の隙間通気は、この状況下でも継続的に壁体内の湿気を外部へ逃がす役割を担います。
この地道な湿気排出プロセスが、壁内環境の健全性を保つ上で不可欠となります。
吸湿した湿気を夏場に放出
冬場に壁内や木材、壁材が吸湿した湿気は、すぐにすべて排出されるわけではありません。
WB工法では、これらの部材が蓄えた湿気を、春から夏にかけて通気部材が開く時期に、壁内を通る空気の流れによって徐々に乾燥・放散させます。
この、冬に吸湿し、夏に放出するというメカニズムが、一年を通じて快適な室内環境と、構造体の長寿命化に貢献しているのです。

まとめ
WB工法は、形状記憶合金バネを利用した通気部材の自動開閉により、冬場の湿度を巧みにコントロールします。
気温低下時には部材が閉じて断熱性を高めつつも、微細な隙間通気で壁内の湿気を継続的に排出します。
さらに、構造材である木材や壁材が持つ大きな調湿能力により、室内の過剰な湿気を吸収。
冬場に吸湿した湿気は、夏場の通気によって徐々に放散され、一年を通して快適で健康的な室内環境が維持されるのです。
この「呼吸する家」とも言える仕組みが、WB工法の大きな特長です。