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24時間換気で住宅のPM2.5対策は可能?効果的なシステム選びのポイント

近年、PM2.5などの微粒子状物質による大気汚染が深刻化し、室内の空気環境への関心が高まっています。
建築基準法で設置が義務付けられている24時間換気システムが、これらの微細な汚染物質に対してどの程度の効果を発揮するのか、具体的な性能を知りたいというニーズは必然と言えるでしょう。
今回は、住宅におけるPM2.5対策としての24時間換気システムの可能性と、その実効性を高めるための選び方について、詳細に解説していきます。

24時間換気システムで住宅のPM2.5対策は可能

換気システムの種類とPM2.5除去能力の違い

住宅に設置される24時間換気システムは、主に給気と排気の方式によって第一種、第二種、第三種の3種類に分類され、それぞれPM2.5の除去能力において異なる特性を持っています。
第一種換気システムは、給気と排気の双方を機械的に制御するため、給気側に高性能なフィルターを設置しやすく、PM2.5除去能力を高めやすいという利点があります。
対照的に、第三種換気システムは自然給気・機械排気方式が一般的であり、給気フィルターの性能に除去能力が大きく依存します。
第二種換気システムは、給気側に正圧を保つことで室内の汚染物質を外部に排出しやすい構造ですが、給気フィルターの性能が室内空気質に直接影響を与えるため、フィルター選定が重要となります。
このように、換気システムの方式によって、PM2.5除去フィルターの設置場所やその効果の度合いが異なるため、ご自宅の換気システムの種類を把握することが対策の第一歩となります。

PM2.5除去フィルターの性能指標

PM2.5除去フィルターの性能を評価する上で重要な指標の一つに「捕集効率」があります。
これは、特定の粒子径の微粒子をフィルターがどれだけ取り除けるかを示す割合であり、パーセント(%)で表されます。
例えば、「0.3μmの粒子を99.9%除去」といった表記は、フィルターの微粒子捕集能力の高さを示唆しています。
また、「圧力損失」も考慮すべき要素であり、これはフィルターを空気が通過する際の抵抗値を示します。
圧力損失が高いフィルターは、換気システムの風量を低下させる可能性があるため、除去能力と換気能力のバランスが取れた製品を選ぶことが肝要です。
JIS規格などの公的な基準に基づいた性能表示を確認することで、フィルターの性能を客観的に比較検討することが可能となります。

2.0μm以上95%カットフィルターの効果

2.0μm以上を95%以上カットするフィルターは、PM2.5(粒子径2.5μm以下の微小粒子)そのものを直接的に全て除去する性能を保証するものではありませんが、PM2.5よりも大きな粒子状物質に対しては高い除去能力を発揮します。
例えば、花粉や黄砂、カビの胞子といったアレルゲンや、PM2.5に付着しやすいより大きな粒子を取り除くことで、室内の空気質を改善し、間接的なPM2.5対策としても一定の効果が期待できます。
これらのフィルターは、PM2.5以外の比較的大きな汚染物質を除去する上で有効であり、室内のアレルゲン低減にも貢献します。
ただし、PM2.5の大部分を効果的に除去するためには、さらに微細な粒子に対応できるフィルター性能を持つ製品の検討が不可欠です。

PM2.5除去に効果的な24時間換気システムの選び方

フィルター性能表示の見方と選び方

換気システムのフィルター性能表示には、JIS規格に基づいた表記や、メーカー独自の基準によるものがあります。
特にPM2.5対策を重視する場合、単に「PM2.5対応」と記載されているだけでなく、「〇〇μm以上の粒子を〇〇%除去」といった具体的な数値を確認することが極めて重要です。
例えば、HEPAフィルター(HighEfficiencyParticulateAirfilter)は、JIS規格において0.3μmの粒子を99.97%以上捕集する性能が求められるため、PM2.5(2.5μm以下)に対して非常に高い除去能力を発揮します。
製品カタログや仕様書を注意深く確認し、対象とする粒子径と除去率を把握した上で、ご自身の求める空気質レベルに合致するフィルター性能を持つ製品を選びましょう。

PM2.5除去率95%以上の換気システム仕様

PM2.5除去率95%以上を謳う換気システムは、一般的に高性能なフィルター、例えばHEPAフィルターやそれに準ずる性能を持つフィルターを給気側に採用しています。
これらのシステムは、外気を取り込む際に、空気中に浮遊するPM2.5の95%以上を捕集し、清浄化された空気を室内に供給することが期待できます。
製品仕様においては、対象とする粒子径(例:0.3μm、0.5μmなど)と、その際の除去率が明記されているかを確認し、ご自宅の環境や求める空気質レベルに合致するかを判断することが重要です。
また、フィルターの交換時期や交換フィルターの入手性なども、長期的な運用を考慮する上で確認しておくと良いでしょう。

メンテナンス性と除去効果のバランス

高機能なPM2.5除去フィルターを備えた換気システムであっても、その効果を維持するためには定期的なメンテナンスが不可欠です。
フィルターに微粒子が蓄積すると、空気の通過抵抗が増加し、換気能力の低下やフィルター本来の除去効率の低下を招く可能性があります。
フィルターの清掃や交換の頻度、その容易さ(例えば、フィルターの着脱や洗浄のしやすさ)は、製品選定において見落とされがちな重要な要素です。
長期的に安定した空気質を保つためには、ご自身のメンテナンスの負担感も考慮し、除去効果とメンテナンス性のバランスが取れたシステムを選ぶことが賢明です。
メンテナンスが容易な製品は、継続的な効果維持につながりやすいため、積極的に検討しましょう。

まとめ

今回は、24時間換気システムを活用した住宅のPM2.5対策について解説しました。
換気システムの方式やフィルターの性能指標を理解し、特にPM2.5除去率の高いフィルターを選ぶことが、効果的な空気質改善の鍵となります。
フィルター性能表示の見方や、メンテナンス性とのバランスを考慮してシステムを選定することで、より快適で健康的な室内環境を実現できるでしょう。
ご自身の住まいに最適な換気システムを選択し、PM2.5による影響を最小限に抑えましょう。

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