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断熱等級7を目指すための間取りはこれ!後悔しない家づくりのポイントを解説

断熱等級7という高い目標は、快適で省エネルギーな住まいを実現するための重要な指標です。
しかし、その達成には、単に断熱材を厚くするだけでなく、建物の形状や窓の配置、部屋のレイアウトといった間取りの段階から戦略的な検討が不可欠となります。
これらの要素が、家全体の熱の出入りに大きく影響を与えるからです。
理想の住まいを現実のものとするために、断熱性能を最大限に引き出す間取り設計のポイントを、具体的な視点から探っていきましょう。

断熱等級7を目指すために間取りで優先すべきこと

熱損失を最小限にするシンプルな形状を選ぶ

断熱等級7を目指す上で、建物の外皮面積をできるだけ小さく抑えることが、熱損失を最小限に抑えるための最も基本的な戦略となります。
凹凸の多い複雑な形状は、壁や屋根の表面積が増加し、それに伴って断熱材の施工箇所も増えるため、断熱性能の低下や熱橋(ヒートブリッジ)が発生するリスクが高まります。
したがって、間取りを検討する初期段階から、できるだけシンプルな総二階建てや、角が少ない矩形(長方形や正方形)に近い形状を採用することが、断熱性能を高める上で非常に有利に働きます。
外壁や屋根の断熱性能を最大限に活かすためには、建物の外形をシンプルに保つことが大切です。

日射取得を最大化する窓配置を計画する

冬期の暖房負荷を軽減するためには、太陽のエネルギーを最大限に室内に取り込む「パッシブデザイン」の考え方が重要となります。
特に、日射を効果的に取得するためには、窓の配置と大きさが鍵を握ります。
南側に大きな窓を配置することで、日中の太陽光を室内に深く導き入れることが可能となり、自然な暖房効果が期待できます。
ただし、夏期の日差しは熱負荷となるため、庇(ひさし)や外付けブラインドなどの日射遮蔽(しゃへい)の工夫も併せて計画することが、一年を通して快適な室内環境を維持するために不可欠です。
窓の性能(断熱性・日射熱取得率)と、その配置計画をセットで検討することで、断熱等級7の達成に貢献するだけでなく、エネルギー消費量の削減にも繋がります。

熱負荷を考慮した部屋の配置を優先する

建物の内部における熱の挙動を理解し、部屋の配置を最適化することも、断熱等級7の達成に向けた重要な要素です。
一般的に、LDKのような家族が集まる主要な居室は、日射取得や採光の観点から南側に配置することが望ましいとされています。
一方、収納や浴室、トイレといった長時間利用しない、あるいは熱源となる可能性のある水回りや北側の部屋は、断熱性能が相対的に低い場合でも、他の居室への影響を抑えやすい北側や西側に配置することを検討します。
これにより、熱損失の多い箇所から暖められた空気が逃げにくくなり、また、熱負荷の大きい箇所が他の部屋に与える影響を最小限に抑えることができます。

断熱等級7を達成するための間取りの具体策

開口部(窓)のサイズと配置を最適化する

断熱等級7を達成するためには、窓の性能向上が不可欠であり、その窓のサイズと配置を最適化することが具体的な設計手法として挙げられます。
高断熱な窓(例えば、Low-E複層ガラスやトリプルガラス、樹脂サッシなど)を選定することはもちろん重要ですが、窓の面積が大きすぎると、それだけ熱損失の割合も増大します。
そのため、必要な採光や通風を確保しつつ、断熱性能を最大化できるよう、窓のサイズは必要最小限に抑え、かつ、日射取得を期待できる南面への集中配置を基本とします。
東西面や北面への窓は、過剰な断熱負荷や熱損失の原因とならないよう、必要最小限のサイズや数に留める、あるいは断熱性能の高い窓を選定するなどの配慮が求められます。

LDKなど主要室を南側に集中配置する

前述の「熱負荷を考慮した部屋の配置」をより具体的に実践するのが、LDKをはじめとする主要な居室を建物の南側に集中させる間取り計画です。
南側は日射を最も受けやすく、冬場には自然の暖かさを室内に取り込みやすい方位です。
この日射熱を最大限に活用することで、冬期の暖房エネルギー消費量を大幅に削減することが期待できます。
また、家族が集まるリビングやダイニングを南側に配置することで、明るく快適な居住空間を実現しやすくなります。
北側や西側には、収納スペースやユーティリティ、浴室などの水回りを配置することで、断熱性能の低い部分が、主要な居住空間に与える影響を最小限に抑えることができます。

熱橋(ヒートブリッジ)になりやすい部分を避ける設計にする

熱橋(ヒートブリッジ)とは、建物の構造体の一部が断熱層を貫通したり、熱伝導率の高い材料が連続したりすることで、断熱性能が低下する箇所を指します。
柱や梁、窓周り、バルコニーの付け根などが典型的な熱橋となりやすく、これらの箇所は、断熱等級7のような高い断熱性能を達成する上で、無視できない熱損失の原因となります。
間取りを設計する際には、これらの熱橋になりやすい箇所をできるだけ減らす、あるいは断熱処理を丁寧に行うことが重要です。
例えば、外壁の柱を断熱材の外側に出す「外張り断熱」工法を採用したり、木造軸組工法の場合でも構造部材の配置を工夫したり、断熱材の切れ間がないように綿密な計画が必要です。

まとめ

断熱等級7の達成は、快適性と省エネルギー性を両立する住まいづくりの上で極めて重要な目標です。
そのためには、建物の形状をシンプルにし、熱損失を最小限に抑えることから始める必要があります。
さらに、南側への窓の配置を工夫して日射取得を最大化し、LDKなどの主要室を南側に集中させることで、自然エネルギーの活用を促します。
また、熱橋になりやすい部分を避ける設計や、窓のサイズ・配置の最適化といった具体的な対策も不可欠です。
これらの間取り設計における工夫を総合的に検討することで、断熱等級7という高い目標をクリアし、一年を通して快適で経済的な住まいを実現することができるでしょう。

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