憧れの吹き抜けリビング。
開放的で明るい空間は、理想のマイホームを叶える大きな魅力です。
しかし、その実現には、延べ床面積への影響という重要な課題が潜んでいます。
吹き抜けの有無が、建築コストや容積率にどう関わってくるのか、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
今回は、吹き抜けと延べ床面積の関係について、建築基準法に基づいた正確な情報を提供します。
吹き抜けと延べ床面積の関係
建築基準法での計算方法
吹き抜けは、一般的に建築基準法上の床面積計算には含まれません。
これは、吹き抜け部分に「床」がないためです。
例えば、1階リビングの上部が吹き抜けの場合、1階リビングの面積は延べ床面積に算入されますが、吹き抜け部分は算入されません。
しかし、吹き抜けに渡り廊下やキャットウォーク、収納棚などが設置されている場合は、状況によっては床面積に算入される可能性があります。
これらの構造物が、建築基準法で床面積として定義される「床」とみなされる場合があるからです。
延べ床面積算出の影響
延べ床面積は、各階の床面積の合計です。
吹き抜けは通常含まれないため、延べ床面積は吹き抜けの有無に大きく影響を受けません。
しかし、前述の通り、吹き抜けに付随する構造物が床面積に算入されると、延べ床面積が増加します。
延べ床面積が増加すると、建築コストや容積率にも影響が及ぶ可能性があります。
建築コストへの影響
延べ床面積が大きくなると、建築コストは増加します。
これは、使用する資材や工期の増加に比例するためです。
吹き抜けに付随する構造物の有無が延べ床面積に影響を与え、結果的に建築コストに影響を与える可能性があることを理解しておきましょう。
コストを抑えたい場合は、吹き抜けのサイズや付帯設備を工夫することで、延べ床面積の増加を抑えることができます。

吹き抜けのある家の容積率
容積率と延べ床面積の関係
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合です。
建築基準法で定められた容積率を超えて建築することはできません。
そのため、延べ床面積が大きくなると、建築できる建物の規模が制限される可能性があります。
容積率規制と建築計画
容積率は、用途地域によって異なります。
建築計画を立てる際には、事前に地域の容積率を確認し、それに基づいて延べ床面積を計画することが重要です。
吹き抜けの計画も、容積率規制を考慮する必要があります。
吹き抜けが容積率に与える影響
吹き抜け自体が容積率に直接的な影響を与えることはありません。
しかし、吹き抜けに付随する構造物によって延べ床面積が増加し、結果的に容積率に影響を与える可能性があります。
容積率ギリギリまで建物を計画する場合は、特に注意が必要です。

まとめ
吹き抜けは開放的で魅力的な空間ですが、延べ床面積や建築コスト、容積率に影響を与える可能性があることを理解しておきましょう。
建築基準法では、吹き抜け自体は床面積に算入されませんが、付随する構造物によっては算入されるケースがあります。
そのため、設計段階で吹き抜けのサイズや付帯設備を綿密に計画し、建築コストや容積率の制限を考慮することが重要です。
理想の吹き抜けを実現しながら、予算や規制に沿った計画を立てることで、快適なマイホームを手に入れることができます。