外構計画は、マイホームづくりの重要な要素です。
中でも、フェンスは家の顔とも言える外構デザインにおいて、重要な役割を担います。
適切な高さのフェンスを選ぶことで、プライバシーを守り、防犯性を高め、美しい景観を演出することも可能です。
しかし、フェンスの高さは法律や隣家との関係性、さらには様々な目的によって最適な高さが異なります。
そこで今回は、外構フェンスの高さに関する疑問を解消し、最適な高さを決定するためのガイドをご紹介します。
外構フェンスの高さ規定と法律
高さ制限に関する法令
フェンスの高さには、明確な全国統一基準はありません。
しかし、建築基準法施行令では、ブロック塀の上にフェンスを設置する場合、ブロック塀とフェンスの合計高さを2.2m以下とする規制があります。
これは、強風などによる倒壊を防ぐためのものです。
既存の、この規制より高いフェンスを見かける場合がありますが、法改正以前の建築物である可能性が高いです。
隣地との境界線と距離
隣家との境界にフェンスを設置する場合、高さだけでなく、デザインや素材も考慮する必要があります。
隣家の採光や通風を妨げないよう、また、隣家との良好な関係を維持するためにも、必要最低限の高さにとどめ、事前に相談することが大切です。
自治体条例と確認方法
地域によっては、フェンスの高さに関する独自の条例が制定されている場合があります。
具体的な高さ制限やデザインに関する規定があるか、お住まいの自治体にご確認ください。
建築確認申請を行う際には、必ず確認が必要です。

フェンスの高さ選びと目的別の最適解
プライバシー保護のための高さ
プライバシー保護を目的とする場合、通行人の視線を遮るためには、140cm~200cm程度の高さが目安となります。
車からの視線を遮りたい場合は、100cm~120cmでも効果があります。
ただし、家の周囲の状況(高低差など)によって、実際に見える高さは変わってくるため、注意が必要です。
防犯対策としての高さ
防犯対策としてフェンスを設置する場合は、侵入されにくい高さを選ぶことが重要です。
150cm以上の高さがあれば、ある程度の防犯効果が期待できます。
しかし、フェンス単体では完璧な防犯対策にはならず、防犯カメラやセンサーライトなどの併用が効果的です。
景観とデザインの調和
フェンスの高さは、家のデザインや周囲の環境との調和も考慮する必要があります。
高すぎるフェンスは圧迫感を与え、低すぎるフェンスは目隠しの効果が低くなります。
デザイン性だけでなく、素材や色なども考慮し、周囲の景観に溶け込むようなフェンスを選びましょう。
ペット飼育とフェンスの高さ
ペットの飼育を考慮する場合、ペットの種類や性格、そして脱走防止の観点から、適切な高さを選ぶ必要があります。
小型犬であれば100cm程度でも良い場合もありますが、大型犬やジャンプ力の高いペットの場合は、180cm以上の高さが望ましいです。
さらに、フェンスの材質や間隔も重要になります。
子供の安全とフェンスの高さ
小さなお子さんを安全に守るためには、150cm以上の高さのフェンスが有効です。
お子さんがよじ登ったり、乗り越えたりできない素材や構造のフェンスを選ぶことが重要です。
また、尖った部分がないか、危険な箇所がないかなど、安全性を確認しましょう。

まとめ
外構フェンスの高さは、法律、隣家との関係性、そしてプライバシー、防犯、景観など、様々な要素を考慮して決定する必要があります。
今回は目的別最適解を参考に、ご自身の状況に合った適切な高さを選び、安心安全で快適な生活空間を実現しましょう。
それぞれの目的に応じた高さ設定、そして地域条例や建築基準法の遵守が、理想的な外構フェンスを実現するための鍵となります。
隣家との良好な関係を築くためにも、事前に相談を心がけましょう。
素材やデザインも考慮し、美しく機能的なフェンスを選び、住まいの魅力を高めましょう。